7/29~31 吊尾根を歩くその2(岳沢~前穂高~奥穂高)
2012年 08月 03日
きょうは核心部を歩きます。
前穂高岳山頂
時々目覚めると雷光が光っていて心配したお天気も、朝から晴れあがってきょうはどうやら山日和のようです。
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小屋の前で三人仲良く記念写真を撮ってから、「前ホ」へ進みます。
小屋からテン場を抜けて草付きに取りつき、しばらくは緑の中をジグザグと。
鎖や、こんな長い梯子も 使ってせっせと高度を稼ぎます。
しっかり整備されている場所はアスレチックのよう(…って、いまのところ余裕デス )。
難なく?第一目標の「カモシカの立場(2520m)」に着きました。
「カモシカが立ってむこうの稜線を見ているの図」を想像すると…う~むなるほど似合いそう!
重太郎新道は、山慣れた人ならそんなに難しいというわけではないように思いますが、けっこうハードです。
もちろん水平歩きもありますが、垂直に登って行くことの多いルートです。
日本の名急登の一つとか。集中力そして何より体力がものを言いそうな気がします。
まだかなまだかなと言っているうちに、
次の目標「岳沢パノラマ」をいつの間にか過ぎて、「雷鳥広場(2820m)」に着いてしまいました。
残念ながら雷鳥さんのお出ましはなく…でも上に見えるのはもう前穂の山頂かしら?
まだまだ垂直…歩き始めからず~っと、振り返れば岳沢の蛇行した白い線が見えていて
昨日、むこうから見ていた山肌をいま自分の足で歩いているのを実感します。
遠くには、梓川と上高地のホテルの赤い屋根も見え始めました。
「はなねこさ~ん、そこの岩を乗っ越すと…もう紀美子平よ~♪」
前穂高岳へは紀美子平に荷物をデポしてピストンします。
往復約一時間。身支度を整えたら、私たちも山頂を目指すことにしましょう。
いろいろな高山植物が咲いていますが、今回私が一番印象深かったのはこのイワヒゲ。
山頂へはやはり緊張する道が続くので、
岩の狭い裂け目にかわいらしく並んで、励ましてくれるように感じてしまいました。
ガスがすっと切れて、吊尾根が目の前に現われましたよ。
前穂高岳をピストンしたら、いよいよあの道を歩いて、見えている高いピーク奥穂高岳へ向かいます。
時々「ここはどうやって下るかなあ…」と思案しながら岩々の続く道を登って、前穂高の山頂に到着。
思いのほか広い山頂です。「やったね!!」。
少しガスってしまいましたが、怖々(私だけ)とあちこち覗いてみます。
おや~、あんな先っぽまで行ってる人もいますよ。
紀美子平へ戻る途中で、ガスの中に前方の壁をよじ登るヒトを3名発見(見えますか?)。
「あら~すごいこと!」と他人事のように思っていましたが、私たちもあとであそこを登るのでした…。
つい怖そうな写真ばかりを選んでしまいますが、
こんな草付きにハクサンイチゲやミヤマダイコンソウなど咲く場所のトラバースももちろんあるんですよ。
時々青空が顔を見せますが、ガスっているので思いのほか涼しく、遮るもののないこんな道を行くには、きょうは絶好のお天気かもしれません。
前後にほかのパーティが見えなくなりました。
実は先ほど、前穂高の下りで私たちの少し先を歩いていた女性が滑落。
近くにいた方が救出して意識はあるということだけはわかったのですが …。
私たちも再度気を引き締めて進みます。
この直後、俊足の長野県警レスキュー隊4名とすれ違いました。
何度も来ていたヘリがガスで視界を遮られ、結局地上からの救出になったのでしょうか。
あっ、涸沢が見えますよ。
まさしく、いま吊尾根を歩いているんだなあと思います。
さて、もうひと息。
ここを越えれば、たぶん南稜の頭も近いはず。がんばれ~私たち。
途中で雷鳥のつがいをちょっと見かけて元気になり、とうとう奥穂高岳へやってきました。
一番高い所に登って、記念撮影です。
ゆきさんは今回と逆コースでこのルートを歩いているし、
はなねこさんも私も奥穂へは来たことがあるので、ここから先は3人とも一応経験者。
でも、山荘へ下りる直前に垂直に近い壁が待っています。
最後のワンピッチ。じゅうぶん気を付けて行きましょうね。
「ほっ」。
とうとう吊尾根を越えてやって来ましたよ~。
【穂高岳山荘2階から食堂をみおろす。】
今夜の宿、穂高岳山荘です。
けっこうな混雑で、お蒲団一枚に2人の割り当てでしたが、私たちの女性部屋は
あとから単独女性がやってきただけだったので、ゆったりと休むことができました。
し あ わ せ。
吊尾根を歩くその3へ続きます(こちらから)
2012.7.30(月) 岳沢~前穂高岳~奥穂高岳(私たちのCT.休憩随時)
岳沢小屋朝食5:00/5:40-カモシカの立場6:45-雷鳥広場8:20-紀美子平8:50/9:05-前穂高岳9:40/9:50-紀美子平10:35(昼食)10:50-分岐点(最低コル)11:20-涸沢が見える12:20-南稜の頭13:00-奥穂高岳13:15/13:40-穂高岳山荘14:20.
頑張りましたね。ここは下山には歩きましたが、
登って来た事はありません。脚力があるんですね。
さて 次は北穂??涸沢??。
>脚力があるんですね。
脚力は??ですが、
よたよた亀足でも、危険を回避するほうを優先したのです。
頑張るのは紀美子平までの3時間と思っていたので案外苦になりませんでした
…って、今だから言えるのかもしれませんね [E:coldsweats01]