9/27 燧ヶ岳 (尾瀬 その2)


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2011.9.27.尾瀬沼に映る燧ヶ岳             
                
                 ♪ 霧のなかに うかびくる
                        やさしい影 野の小道 



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朝食前に沼へ行ってみると、
たなびく雲と青空が清々しい一日の始まりを告げていました。
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けれど、山のすそ野には朝霧がたちこめていて、
三本カラマツの辺りはまだ眠りから覚めていないように見えます。
私たちも、昨夕の素晴らしい夕焼けの余韻さめやらず、まだ少しだけ夢の中にいるような気がします。
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きょうは尾瀬ヶ原を歩くはずでしたが、きのうあんなに美しい燧ヶ岳を見てしまったゆきさんの「燧に登りたいな」というリクエストで、予定変更。
のんびり散策のはずが、急きょ燧ヶ岳登山をすることになりました。
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霜が融け始めた木道、滑らないように…

昨夕7名いた宿泊者のうち、6時からの朝食をいただいたのは5名。
おふたりは、登山をするので朝早く出発してしまったようです。
私たちは、のんびり7時の出発です。
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三本カラマツ / 向こうに長蔵小屋が見える   

沼の北岸を回り込むように行くと、昨日から度々目にしていた三本カラマツのそばにやってきました。沼地にカラマツとはなんだかヘンですが、これは、尾瀬中納言藤原頼実の墓と言われているとか。
そういえば、こんもりとした盛り土のように見えます。
頼実さんは、その昔、こんな辺鄙なところでどんな生涯を送ったのでしょうね。
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さて、左へ沼尻への道を分けて、私たちは長英新道へ入ります。
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私が前回登ったのは五月連休の残雪期。思いがけず夏道が出ているというのでこの道をピストンして、その日のうちに自宅まで帰りついた覚えがあります。
あの頃はもう少し若かったから…。
きょうはたぶん、もう一泊しないとならないでしょう…。
                      
         
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昨日、燧ヶ岳から下りていらした同宿のご夫婦の話では、下のほうの道はぐちゃぐちゃだったということでしたがあまり心配したものでもなく、二時間ほどは樹林の中の緩やかな道を辿ります。
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ヘリが何度も行ったり来たりして、時々ホバリングしている音が聞こえます。
見上げると、セメントを入れるバケツのような物で何かを運んでいるようです。
どこかでヘリポートでも造っているのかしら
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こんなになってしまった道を *  * * * * * * * * こんな道に直しているのでした。
「危ないですから、ヘリが近づかないうちに通り過ぎてください」と、並んで見送ってくれました。お世話様です。
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ちょっとした岩々な道をやり過ごすと灌木帯になり、木々の間に燧ヶ岳(俎嵓)の山頂が見えてきました。
登山口から2時間半ほど歩いていますが、山頂まではまだ結構ありそうです…。
あら、下には、尾瀬沼も見えますよ。
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尾瀬沼全景 / 正面奥の山は日光白根山

ところで、尾瀬沼には昭和46年頃まで、小さな観光船が走っていました。
何を隠そう、かく言う私はその船に乗ったことがあるのです(古~い(^_^;)。
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長蔵小屋談話室に飾られていた懐かしい船の写真

昔話になりますが…周りの景色がほとんど見えない霧雨の日でした。
沼を渡る私たちの船の向こうを、小屋の荷を積んだ和船が、棹を操る船頭さんの動きとともにすーっと滑って行った幻想的な光景を、私は今でも忘れることができません。
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             ♪ 夏がくれば 思い出す
                      はるかな尾瀬 野の旅よ

尾瀬に来るたびにあの光景を思い出し、いつも少~しだけロマンチックな気分に浸ります。
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燧ヶ岳(俎嵓) / ナデッ窪からの合流点

もうすぐかと思って真新しい階段を上り終わると、小広いそこはやっとミノブチ岳。
ナデッ窪からの合流点はもう少し先でした。
双耳峰の一方の山頂・俎嵓(まないたぐら)へはここからまだ30分もあります。
ふぅ…残雪期のほうがよっぽど楽に登れたみたい。
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燧ヶ岳・俎嵓山頂から見下ろす尾瀬ヶ原 / 正面は至仏山

山頂には7・8人の人が、360度の眺めを楽しんでいました。
私たちとほぼ時を同じくして、あちらこちらの登山道から到着する人々もいて、
みんな一様に「わ~すご~い!」と声をあげています。
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燧ヶ岳俎嵓(2346.2m)山頂標識から尾瀬ヶ原、至仏山と谷川岳方面の山々。
いつかいつかと思いながらまだ登っていない、武尊山の姿が素晴らしい
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同じく、会津駒ケ岳。右下に小さく桧枝岐の駐車場?
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尾瀬沼の向こうに、日光方面の山々。日光白根山の左手に台形の男体山。
はるかかなたには、雲から少しだけ頭を出した富士山、南アルプスの山々、所々に白いものの見える北アルプスも見えたのですが、写真にはあまりよく写らなかったのがとっても残念です。
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柴安嵓(2356m)からの尾瀬ヶ原。
こちらの峰から見ると、足元に広がる樹林帯のはずれに「見晴」の小屋群が見え、そこから原っぱへ白い一本の道が延びているのがわかります。
この分で行くと、どうやらきょうは「見晴」泊りの私たちになりそうですが…。
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下りは見晴新道を使います。
もともと大小さまざまな石がごろごろしている急坂のとても歩きにくい道なのに、途中にはつい先日の台風で崩れた場所もあり…おまけに見晴らしのない樹林帯の中を行くのでちょっとうんざりしてきます。
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見晴新道というのは見晴らしが良いからではなく、どうやら「見晴」へ続く道だからの命名のようです。
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時々目の前が開けるようになりました。
原っぱもだいぶ近づいたようですが、これでもまだ半分くらいしか来ていません。
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ようやっと平らな道になり、ブナなどが見られる明るい林になりました。
平らな道って、なんてすてきなんでしょう!
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少し西に傾き始めた日差しに照らされて、赤い葉っぱが秋を告げています。
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山道に木道が現れたので「見晴」ももうすぐでしょう。「ほっ」。         
              
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これは!?…オオカメノキの新芽です。
これから雪も降るのに… 来年に向けてもう準備を始めているのだそう。
ゆきさんが「わ~、ウサギみたい~」って、例のごとく…ふふふ 。
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そうそう、のんきにしている場合じゃありません。きょうは小屋の予約を入れていないので、泊れるかどうかわからないんでした。
夕飯の準備が始まる前にどこかへもぐりこまないと…タイヘン。
急げ~~~~
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尾瀬の小屋はだいぶ前から、オーバーユースを避けるために定員制になっていて、予約が原則となっています(石鹸など使えませんが、各小屋にお風呂があります)。
昨日の感じから「たぶん」大丈夫だろうと予定を変更してしまいましたが、ちょっとルール違反だったかも。
低姿勢でお願いして、今夜は「尾瀬小屋」へお泊りです。
4畳にふたり…お世話になりました。

2011.9.27(火).     ※私たちのコースタイム(随時休憩)
長蔵小屋7:00…沼尻分岐7:20…ミノブチ岳10:00…燧ヶ岳俎嵓10:40/11:15…燧ヶ岳柴安嵓11:30…温泉小屋道(廃道化している)分岐12:05…見晴(下田代十字路)15:20.

※ 尾瀬 その3へ続きます(こちらから)。
Commented by cyu2 at 2011-10-03 20:36 x
えーーーーー?
尾瀬沼に遊覧船が?!今初めて知りました!
芦ノ湖みたいな感じなのでしょうか・・・
palletさん、本当に素敵なことをたくさんご存知でカッコイイですよね~。
私には絶対無理な素敵なオトナの女性[E:lovely]むふ。

尾瀬沼、まだ行ったことないんです。
来年こそ。
燧ケ岳、登るの早いですね!やっぱりpalletさんも相当健脚さんですね。
ますますカッコイイ♪
Commented by 矢車草 at 2011-10-03 20:50 x
尾瀬沼の夕焼け なんて美しいんでしょう!

素晴らしいお天気の日に歩けて良かったですね[E:happy01]

尾瀬と上高地 今年も行かなかった我が家・・・
車で行くと遠くて許可がおりないんですよね[E:wobbly]

でも燧ケ岳も登ってみたいし・・・
てくてく尾瀬の木道を歩いてみたいと
みなさんのレポを見るたびに思うんですけどねェ

素敵な写真がいっぱいで楽しませていただきました
続きも楽しみにしていますねェ
Commented by ゆき at 2011-10-03 23:04 x
★(小さな声で)
palletさん、オオカメノキの冬芽、
この写真ではウサギというよりザリガニのハサミみたい。
Commented by pallet at 2011-10-04 11:54 x
こんにちは~ [E:happy01]
  
✾cyu2さん
そうですよね~ [E:think] 。
尾瀬は「日本の自然保護の原点」とも言われているのは
なんとなくご存知だと思うんだけれど…
私はリアルタイムで経験したことでも、
cyu2さん世代はまだ赤ちゃん?幼稚園生?小学生?だったんですものね。
もし関心がおありだったら、
[E:book] 後藤 允『尾瀬-山小屋三代の記』(岩波新書・1984)を読んでみてください。
(たぶん絶版or品切なので、図書館で借りてね)。
もし、尾瀬沼へ行くのだったら…
「三代目・長靖」の項だけでも、ぜひ読んでほしい…かな。
   
   
❀矢車草さん
今回もお天気狙って行ったので大正解。
お蔭で素晴らしい夕焼けまで見られてうっとりな尾瀬を堪能してきました。
>車で行くと遠くて許可がおりないんですよね
新宿からの高速バスが、結構お得で使えます♪
燧ケ岳自体は、あまり面白みのない山ですが、
遠くから見る姿の美しさと山頂からの景色が素敵です。
いつか、行ってみてね。 
   
       
[E:snow] ゆきさん
わたしも、「あれっ、これウサギっぽくないかも」と思ったんだけど。
でも、ザリガニのハサミじゃちょっとちょっと…じゃない?
Commented by ゆき at 2011-10-04 22:05 x
★palletさん
じゃ、ロブスターに昇格させよう。
って感じで歩いているのばれてしまうから、
次、尾瀬ヶ原!行きましょう。
それにしてももう一週間経ってしまったのですよね。
まだ余韻に浸っています。
Commented by ヒサ at 2011-10-05 01:02 x
palletさん、ただいま。

期待通りの静かな尾瀬と、
palletさんとゆきさんのやり取りを楽しんでいます。
「その3」で終わりなのかなぁ。
もっと楽しんでいたい・・・。[E:confident]

ちなみに、オオカメノキの冬芽、
私には「シュワッチと飛び立つウルトラマン」に見えます。
あっ、palletさん、怒らないで![E:coldsweats01]
Commented by pallet at 2011-10-05 10:25 x
おはようございます [E:happy01]
    
[E:snow] ゆきさん
>次、尾瀬ヶ原!行きましょう。
おねがい[E:despair] あんまりせかさないで [E:bleah]。  
>まだ余韻に浸っています。
気に入ってもらえて、嬉しいです。
  
   
[E:clover] ヒサさん おかえりなさい
>palletさんとゆきさんのやり取りを楽しんでいます。
おバカなおば(あ)さんたちでしょう(えへへ)[E:coldsweats01]
>私には「シュワッチと飛び立つウルトラマン」に見えます。
わ~すごい!!!
シュワッチしてるウルトラマンそのものだわ~[E:flair]
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by pallet-sorairo | 2011-10-03 15:55 | 山歩き2011 | Comments(7)

私の山歩き街暮らし空の色 // 散歩道で見かける鳥や虫や花も // ただいま山歩きお休みちう       ©pallet-sorairo


by pallet-sorairo