奏楽堂

上野公園にある旧東京音楽学校(現東京芸術大学)奏楽堂(国重文)が老朽化し、
建物の保全を図る調査などのためこの4月から休館するとの話を耳にしました。

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奏楽堂正面 2013.3.14. 人通りがぱったり途絶えて和服姿の女性がふっと現れた。「?」…タイムスリップしたような不思議な気分。

奏楽堂の前は何度も通ったことがありますが、気になりながらもまだ中に入ったことはありません。
次にはいつ中を見られるかわからないとのことなので、さっそく訪ねてみることにしました。

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奏楽堂裏面

この奏楽堂は明治23年に建造された日本最古の音楽ホールで、昭和62年に現在地に移築。
移築後も現役の音楽ホールとして利用され、また歴史的建造物としても一般公開され続けてきたものです。

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ここが正門でしょうか。
かつて、この門を滝廉太郎や山田耕筰、そして三浦環らがくぐっていたのかと思うと感慨深いものがあります。
では、私も中へ入ってみましょう。

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その前に、パンフレットで沿革や建物の見取り図などを…。

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階段を上りきって振り向いたところです。
すぐ前にある木のドアを開けてホールに入ります。
開けると、座席の前後を区切るように広い通路が向うのドアへと長く伸びています。

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なんて明るいホール内でしょう。
床材のリノリウム?や椅子などは現代のもののように思いますが、
こんなふうに外の光が入る音楽ホール、今どきの建築にはあまりないのではないかしら。


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正面のパイプオルガンは我が国最古のコンサート用オルガン

建物全体に目立った装飾がなく、至ってシンプルにできている印象を受けましたが、
舞台の両側面にも窓があるのにはちょっとびっくりしてしまいました。
でも、そこから入る柔らかな光が漆喰壁の白さとカーテンのワインレッドを際立たせていて
なんとも素敵な空間を生み出しています。
コンサートの時にはカーテンも閉じられてまた違った空間が出現するのでしょうね。

程よい大きさ、古いものが醸し出すゆったりとした雰囲気、自然光につつまれる居心地の良さ…
近い将来にまた音楽ホールとして使われるようになることを願いながら、ひとまず「さようなら」の奏楽堂でした。


♪ この後、西洋美術館で開催中の「ラファエロ展」に寄り道。
  上野の山は文化施設がいっぱいです。

♪?? 3月31日最終日は特別コンサートで、チェンバロやパイプオルガンの演奏があるとのことです。
    お時間がありましたら、いかがですか。
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by pallet-sorairo | 2013-03-16 10:00 | Comments(0)

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