そらいろのパレット

sorairo02.exblog.jp ブログトップ

オトシブミ/虫たちのゆりかご


5月下旬、新緑が日々深みを増す山を歩きました。
いつものように歩き始めは私の後にゆきさんが続いて、一歩一歩登って行きます。

d0288144_21522218.jpg
「ゆきさん、きょうはなんだか見たことない巻物がいっぱい落ちてるね」
「うん、私もさっきから気になってる」




d0288144_21540157.jpg

「オトシブミ(の揺籃)だと思うけど…」
「でも、葉っぱ2枚使ってクルクル巻いて終わりみたいよ」

d0288144_21514267.jpg
「あら、これは上から下へ巻いてるみたい」
「すごくきれいに巻けてる! 姫タケノコみたいね」


d0288144_21513141.jpg

d0288144_21554882.jpgd0288144_21560198.jpg←↑よく見る普通の?こんなオトシブミ(の揺籃)も見かけたけれど、
きょうは今までに見たことのない簡便な?「揺籃」をいっぱい発見した私たち。
このあとの道のり長いのになかなか前へ進めません(^^;



d0288144_12064128.gif

「オトシブミは、一ぴきで三人分の仕事をする、すごい虫です。たくさんの種類の木の中からクリの葉を見分けることができます。葉の水分や養分の通り道を知っています。これは、植物学者の仕事です。折り曲げやすいように測りながら、葉のすじにかみきずをつけたのは、設計士の仕事です。そして、葉を巻いて子どもの家をつくります。これは大工さんの仕事です。…」(『観察の本1 オトシブミ』千国安之輔/偕成社1978)より)。

d0288144_12064128.gif


d0288144_21525033.jpg
柏餅みたいにただ折り畳んだだけの葉っぱもたくさん落ちています。
これも揺籃かしら…??

オトシブミハンドブック(守田 守・沢田佳久著/文一総合出版2009)では、
「オトシブミ(オトシブミ亜科21種とチョッキリ亜科9種)を葉を巻く性質を持ったゾウムシの総称として用いていて、巻かれていない葉は揺籃(ゆりかご)とは呼ばない」と定義している。

☆追記(6/26) 『オトシブミハンドブック』には「オトシブミ以外の葉巻虫」と言う項目があり、多くは糸を使って揺籃と似た葉巻型の巣を作るのが見分けのポイントとありました。
オトシブミの揺籃には糸が使われていないんですね。

ネットで「オトシブミ」を調べたら、
巻いてない葉っぱの揺籃が全然出てこなかったのはそういうわけだったのね。


d0288144_12064128.gif

でも…

d0288144_21530762.jpg
「悪いけど…ちょっと開けてみようか」
「あっ、いた! ごめんね起こしちゃったね」

d0288144_14415539.jpg
すぐにまた折り畳んで元に戻したけど
無事におとなになれたかしら…ほんとにごめんなさい。

d0288144_12064128.gif


お蔭で子ども向けの本を(も)読むことになっちゃったけど、これがなかなか面白かった。
こういうことは、こどもの本のほうがわかりやすくていいんですよね(^^ゞ

d0288144_17111025.jpg
①水の通り道を知っているオトシブミは噛み切ることで水路を断って葉っぱをしんなりと柔らかくする。
②硬くて折れ曲がらないところ(葉の主脈のすじが太い場所など)に傷を付けて巻きやすくする。
③巻物の途中で穴をあけ(ゾウムシの口吻が長いのはそのため)卵をそこに産んでからさらに巻いて保護する。
④オトシブミ亜科では幼虫は揺籃内で蛹化、羽化し、成虫として出てくる。
⑤チョッキリ亜科では成熟した幼虫が揺籃から脱出し、土中で蛹化する。
⑥いずれも揺籃内で過ごすのは1か月前後。
そんなことを初めて知りました。

柏餅みたいで手抜き?と思った葉っぱの揺籃?も
最大10mmに満たない小さな虫が、葉の主脈を行ったり来たりしながら柔らかくして二つに畳み卵を産み
そして開かないような工夫をしていたのです。
すごいですね。

d0288144_12064128.gif

d0288144_17342422.jpg
こんなきれいな花咲く山の中には、
私たちの知らない楽しいことがまだまだたくさん詰まっているに違いありません。
そんなことを考えるとわくわくとして、また、山へ行きたくなるのです(^^ゞ

おしまい。


☆写真はクリックで拡大します。
落し文(オトシブミ)2011.5
5/28 蕎麦粒山(鳥屋戸尾根~ヨコスズ尾根)2014.5
☆イラスト(ライン)@BOUS

by pallet-sorairo | 2014-06-25 08:44 | 鳥・虫・樹・花など | Comments(10)
Commented by cyaa9090 at 2014-06-25 19:27
なんて楽しい山登りでしょう。
そんな知識のない私でも、不思議な巻物に興味を示すでしょうね。
そしてやっぱり、そ~っと巻き戻すでしょう。

今日はいいお話ありがとうございました。
Commented by インレッド at 2014-06-25 19:35 x
今晩は。
私は榛名の山中へヤマツツジを毎年見に行きますが、
その時は必ずと言って良いくらいオトシビムを幾つか戴
きます。虫さんからのラブレターも嬉しいものですね。
Commented by ゆき at 2014-06-25 20:08 x
palletさん、ただいまでござる
フィンランドでオトシブミ保育園見っけたよ。

パラドールに泊まったの? palletさんの旅はリッチ。
私のは学生時代の貧乏旅行からちっとも進歩しないの。
Commented by pallet-sorairo at 2014-06-25 21:59
☆cyaa9090さん
ようこそ。
オトシブミはほんとに上手に巻物になっているんです♪
もしまだご覧になったことがないのでしたら
封筒に入れて郵便でお届けしたいくらいです(^^ゞ
今後ともどうぞよろしく♪
Commented by pallet-sorairo at 2014-06-25 22:02
☆インレッドさん
こんばんは。
えっ?!
インレッドさん、オトシブミ戴いてきて飼育なさるんですか??
私もこの柏餅の虫はどんな虫になるのか連れ帰ってきたかったです。
ラブレターはたとえ虫さんからでも?嬉しい…かな???(^^ゞ
Commented by pallet-sorairo at 2014-06-25 22:06
☆ゆきさん
おかえりんこ。ご無事でなにより。
フィンランドでは夏至祭などに会ったかなぁなんて思ってました。
>私のは学生時代の貧乏旅行からちっとも進歩しないの。
自分で動ける人はそれでいいの。
「暮らすように旅して」きたんでしょ、羨ましいよ。
で、オトシブミ保育園ってなに?
Commented by はなねこ at 2014-06-25 22:12 x
そうそう、このクルクルタイプも見たことあります。
みんな同じ虫なのかしら。
半折りタイプの簡便型も、虫くん(さん)にとってはちょっとした作業のはず
ほんとに知恵があること。。。 それにきっちりしてる
というか、もともと備わっているものでしょうけれど
なかには不器用くん(さん)もいるんでしょうねぇ (^^;
開けてみるとはさすがですね。
Commented by reikogogogo at 2014-06-26 08:48
山、良いですね,膝にむく神経が回復する迄には1年がかりに成りそうですがハイキングしたいですね。
オトシブミ信州育ちなのに全く知りませんでした,蜘蛛など飼育した事が有るというのにです。あり地獄がウスバカゲロウに成るの知らずに飼育し、知らずして知った経験はあるのですが。
Commented by pallet-sorairo at 2014-06-26 11:29
☆はなねこさん
↑ に少し追記しました。
オトシブミ以外の葉巻虫にはハマキガ科の蛾のほかに
ダイミョウセセリとかヒメアカタテハとかよく聞く名前のチョウもいるようです。
写真を見ると「あれ、これもそうだったんだ」なんて思うものもありました。
>開けてみるとはさすがですね。
かわいい小さな卵が入ってるかと思ってたんでちょっとびっくり。
でも、毛むくじゃらで大きな毛虫だったら…きゃあ~~~~(^^ゞ
Commented by pallet-sorairo at 2014-06-26 11:36
☆reikoさん
イスタンブールの旅、なんともエキサイティングでとっても楽しませていただいてます。
ときどきはらはらしますが(^^ゞ 体調だいぶ戻られたようで何よりです。
オトシブミ、新緑が深くなった初夏のころに森へ入るといっぱい落ちています。
子供向けのこの本のお話の舞台は安曇野のとある町なんですよ。
蜘蛛を飼育したんですか! さすがreikoさんだ(^^ゞ
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
line

=私の山歩き街暮らし空の色= 散歩道でみかける鳥や虫や花も。


by pallet-sorairo
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite