そらいろのパレット

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『錆と人間』


時々この家の前を通るようになって何年になるだろう。
少なくとも10年以上にはなると思うが
初めて見たときと全く変わらない姿でここに建っている。
錆びたトタン板?のチョコレート色が
初めからその色に塗られていたかのようにしっくりと馴染んでいて美しく
私は通りかかるたびにいつもほれぼれと見惚れてしまう。


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二階建てのこの家はたぶんアパートなのではないかと思っていたが
いつもひっそりとしていて、よくよく見てみるとどうもそうではないようだ。
一階の出入り口には自転車が一台だけ停められており、傍らには鉢植えもいくつか置かれている。
錆びてはいるがこの辺りの主のようにすっくと立っている姿は抜群の存在感だ。


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『錆と人間』なんていう本を読んでいる。
錆びるもの、朽ちるもの…そんなものには「いのち」が感じられるような気がして
私はとても心惹かれるのだからして。
しかし、錆をメンテナンスしないでいたらこの世はどうなるか…
考えるだに恐ろしいではないか?!


こんな、ある意味マニアックな本に興味を持つ人はそんなにいないだろうと思っていたのに
あにはからんや。
図書館に予約したら順番待ち、
順番が回ってきたら「後ろに予約者がいるので延長できません」ですと。


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自由の女神のあばたやら、危険を冒してまで錆の美を撮るフォトグラファーやら、
飲料に腐食されない(我々は腐植されるような飲料を飲んでいる??)缶の開発やらと
たくさんのエピソードがちりばめられていて私のような素人にもたいそう面白い本なのだが、
今週は何やかやと忙しく、2段組み350ページの本を2週間で読み切るのはなかなか難しそうだ。

あと1/3ほどを残しているのに期限が来てしまった。
仕方がない、一度返却してまた予約し直さなくてはならないな。
次に順番が回ってくるのはいつのことになるやら。

やれやれ。

※『錆と人間 ビール缶から戦艦まで』
  ジョナサン・ウォルドマン著
  三木直子訳
  築地書館 2016年9月刊


★写真はクリックで拡大します。

  



by pallet-sorairo | 2017-02-22 09:22 | 街暮らし | Comments(10)
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-22 09:53
ラストベルトなる地域に住む人たちがトランプなる怪物を大統領に押し上げた物語は哀切ですね。
Commented by fusk-en25 at 2017-02-22 18:53
人間につく「さび」だけは願い下げたい。。
でも「侘、寂び」って言葉もありますね。
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-22 20:30
☆saheiziさん
初めてラストベルトなる言葉を聞いたときラストは「last」かと思いました。
件のフォトグラファーはこの「rust belt」生まれで、祖父は製鋼工だったそうです。
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-22 20:35
☆fuskさん
心身共に錆つかないようにしなくちゃと思います。
↑のフォトグラファーは
「『Wabi-Sabi(侘び寂び)』という本の中に描かれる、存在すること、思考、見ることにまつわる哲学」(本書より引用)をたびたび語っていたようですよ。
Commented by echalotelle at 2017-02-22 23:43
「トタンクラブへようこそ!」と言いたくなるようなお宅ですね。
いろんな配管が外についているのも、家の原型を見るような気がします。
マレの畑の道具小屋の屋根がトタンだったり、それ以外でもトタンを使うことがあるので、とても親しみを感じます♪
木やとたん、朽ちるもの錆びるもの・・・私も心惹かれます!
磨くところは磨き、錆びを芸術と思えるほどに美しく錆びさせるところは錆びさせ~、なーんて、メリハリのあるがいいなぁ。
以前の記事の、握りバサミ、いいですね~。鉄は素晴らしい。♡
Commented by unburro at 2017-02-23 12:18
錆好き、としては、見逃せない本ですね。
でも、同好の士、がそんなに多いとは…

苔好き、と、錆好き、はどこか方向性が似ているような気がするのは、
私だけ、でしょうか…
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-23 17:52
☆echalotelleさん
私の住む町は古くからの町なのでつい最近まで
こんな風な家をあちこちで見かけたのです。
すごい勢いで再開発が進んでいるので無くならないうちにと
けっこう写真を撮りためてあるはずなんですが
整理しないでいたらどこにあるやら状態でちょっと焦っています(^^ゞ
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-23 17:55
☆unburroさん
unburroさんも錆好きだったですね!
そうなんです、私も錆好きがそんなにいるとは思ってませんでした。
>苔好き、と、錆好き、はどこか方向性が似ているような気がするのは、
苔、ですか…嫌いではありませんが…そう言われると…(^^;
Commented by sternenlied2 at 2017-02-27 14:09
うふふ、いつもコメントしてくださる方が
赤錆好きでよく写真を撮ってらっしゃるようですが、
こんな本があるなんてね。
この見事なお家をお見せしたらきっと
大喜びされるだろうと思います^^

pallet-sorairoさんも錆が割とお好きなんですね。
それに図書館でも順番待ちだなんて?!
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-27 19:38
☆sternenlied2さん
錆の美マニアは案外たくさんいるようですね。
図書館の順番待ちには私もちょっとびっくりでした(^^ゞ
ただこの本はウォールストリート・ジャーナルの
ブック・オブ・ザ・イヤーを受賞しているそうなので
知名度は高いようですが。
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=私の山歩き街暮らし空の色= 散歩道でみかける鳥や虫や花も。


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