そらいろのパレット

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人生 フルーツ


2月中旬のある日 "ルオーとマティス展” を見に行く予定っだったのだけれど
「思ってたような展覧会じゃないかもね、どうしようか」なんて夫と二人して話していた朝の食事どき。

なんともタイミングよく長女から嬉しいお誘いメールが届きました。
「きょう、暇だったら映画見に行かない? お母さんが好きそうな映画なんだけど」。
…そうして…夫と私と長女の三人で見てきたのは ” 人生 フルーツ ” という映画。

建築家津端修一さん90歳、英子さん87歳のご夫妻の2年間を追ったドキュメンタリー映画でした。
東海テレビ制作のテレビドキュメンタリーが評判よく、劇場映画用にリメイクされたようです。


ご夫妻が50年ほど前に自ら関与した草木も見えないニュータウンの一角に住まいを建てたのは
建築家自らがそんなところに住んでみなければとの思いからだったとのこと。
ひとりひとりが木を植えれば森ができる…その思いはみごとに育って
いま、ニュータウンの裏山も津端家の庭も見事な雑木林になっているのでした。
津端家には四季折々の作物の採れる畑もあり、
ご夫妻はその高齢ながらふたり仲良くたくさんの作物を作る毎日です。

風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。 
人生、フルーツ。

樹木希林のナレーションがそう繰り返します。


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自分はパン食なのに、ごはん党の修一さんに副菜たっぷりの朝食を整える英子さん。
英子さんが植えた作物の場所には、
修一さんの作ったかわいらしい名札(イラストや楽しい言葉の入った!)が据えられる。
収穫した野菜でつくる常備菜、果物でケーキ。
英子さんは特別なことは何もしていないというふうに背筋をしゃんとして
いつも生き生きと立ち働いている。
修一さんは毎日いくつかのおたよりを書く。
宛所は英子さんが懇意にしているお魚屋さんや八百屋さんへの
「美味しかった」というようなイラスト入りの葉書だったりする。
赤い自転車に乗って手紙を出しに行く修一さんはとても90歳とは思えない。

「できるものから、小さくコツコツと。時をためて、ゆっくりと。」
これも繰り返されるナレーション。

ある日、「経済優先の社会で疲弊した人もたくさん入院している」という精神科の病院から
仕事の依頼が来た。
自分にとって人生最後の仕事としてふさわしいものになると捉えた修一さんは
すぐさま雑木林の中に点在する病院の設計に取り掛かり
「謝意は無用。設計料も辞退します」と書いた手紙とともに相手方へ届けたのだった。

そんなある日、庭の草取りを終えてお昼寝をした修一さんはそのまま起きては来なかった。
お別れの日、英子さんは「お父さんは、賑やかなのが好きだったから」と
イベントの時にはいつもそうしていたように、庭にカラフルな旗をたくさん掲げる。
旗は光を浴びてキラキラと輝き、風にたなびいてとても気持ちよさげだった。

人生、
フルーツ。


津端ご夫妻の歳になるまでに私たちはほぼあと20年。
これからの20年をどう生きるか、
時を重ねる事の素晴らしさ、
豊かな暮らしとは何かを改めて教えて頂いたような気がするお二人の姿だった。


「あと20年、仲良く暮らしましょう。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
多少の反省を込めて?!改めてそう挨拶しあったのは、映画を見終わった私たちです(^^;

そうそう、そういえば
我が家の娘たちの名前にも果物の漢字がひとつずつ入っているのでした。

人生、 
フルーツ♪



★劇場情報などは↓



by pallet-sorairo | 2017-02-28 09:48 | ちょっとお出かけ | Comments(18)
Commented by shimasaan at 2017-02-28 10:58
いい話ですね……
映画好きの、うちの奥さんは知っているのかな?

このところ、ヒザ痛・血糖値高め・緑内障の薬の副作用?で、なかり弱っている私ですが、
この映画を見にいけば、元気になれるかな…
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-28 11:10
☆shimasaanさん
なれますなれます、保証します!
リンクした公式サイトに上映館情報がありますので
見逃さないように、ぜひ足をお運びください。
Commented by unburro at 2017-02-28 14:09
京都での上映は、4月末のようです。
もう、すっかり春になった街に、出かける楽しみができました。
ありがとうございます!

最近、palletさんのおかげで、
よくツグミに出会います(^ ^)

今までは、スズメより、だいぶ大きい野鳥だなあ。
としか思わず、ろくに目に入らなかったのに、
あれはツグミだ。と認識できるようになると、
あら、あそこにも、あの枝にも、と見えるようになりました(^ ^)
うれしいです!
Commented by mimi-74 at 2017-02-28 15:26
こんばんは!
いいお話ですねぇ。
公式サイトを見せて頂いて爽やかな気分になりました。
映画、観られなくて残念だなぁ~
Commented by saheizi-inokori at 2017-02-28 15:50
カミさんが見たいと言ってたのはこれですなあ。
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-28 21:33
☆unburroさん
大きな映画館にかかるような映画ではないので、
きっと配給量も少ないのでしょうね。
上映期間も短かったりしますから、うっかり見逃しませんように。

ツグミ…私も最初はそうでした。
名前を知るって、存在を認識するってことなんだななんて
つくづく思ったりしたんでした(^^;
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-28 21:37
☆mimiさん
私世代にぴったりくる映画でした。
国内でもあんまり上映されないので、
たぶん、海外には配給されないでしょう(^^ゞ
残念ですね~。
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-28 21:38
☆saheiziさん
たぶん、それでしょう(^^ゞ
お二人でどうぞ。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-02-28 23:39
見たいと思い調べて見ました。
本当に小さな映画館ですが四月になれば見れそうです。

キビタキの件、ご指摘ありがとうございました。
早速調べて見たらパレットさんの言われるとおりでした。
鳥についての知識は皆無に等しく、
キビタキだとばかり思っていました。💦
これからもよろしくね。
セリバオウレン、パッと花びらが開いてきましたよ。
Commented by fusk-en25 at 2017-03-01 01:02
考えるだけだと、たやすくても実際にできるかとなると。。。。
植物との日一日からの向き合いがなされたことに。
自分の足りなさを改めて知る思いがします。
Commented by pallet-sorairo at 2017-03-01 11:33
☆PochiPochiさん
時が経ってみると、なんだかおとぎ話のようだったかななんて思って…
確かにこのおふたりはあそこに住まい、
自分たちの暮らしを紡いでいたのだと映画の様々なシーンを思い返しています。
セリバオウレンきれいに咲きましたね♪
キビタキあらためジョウビタキも合っててよかったです(^^ゞ
Commented by pallet-sorairo at 2017-03-01 11:40
☆fuskさん
いやいや、私には同じようにはとてもできません。
基本的なところで共感し、
自分たちなりに暮らしていこうというようなスタンスです。
映画を見ながら、ブログで親しくさせていただいている
fuskさんやほかの先輩方を思い出していました。
みなさん、すでに津端ご夫妻のような生き方をなさっていると
私は思っています。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-03-01 22:38
今気がつきました。
サイドバーの刺繍、ヴィオラですね!
かわいい〜いっ♪

春ですねぇ〜。
Commented by mother-of-pearl at 2017-03-02 01:36
今晩は。お久しぶりです。
ガラケーではアクセスできなくなり不便です(T_T)

偶然ですが、私はテレビで観ることができました。
しみじみと見入ってしまい最後まで観ていました。
設計者自らがその地域に住み、実現したかった暮らしに
年月をかけて近づいていく様子が、心に響きました。
こんなに穏やかにお互いを大切にし合うご夫婦が
いるんだなあ、と感慨深かったです。お料理もとても
変化に富み、美味しそうでしたし、お買い物の仕方も
納得、でした。台湾を訪ねる場面は心に響きました。
絵空事ではなく、現実のご夫婦であることがとても
素晴らしいですね。
でも、観終わってからお互いに将来を確かめ合った
というpalletさんご夫婦も、彼等に続いているのですね!!
Commented by pallet-sorairo at 2017-03-02 09:16
☆PochiPochiさん
フランス刺繍は上手下手がしっかり出てしまいますね。
しわが寄ったりしてて恥ずかしいです(^^ゞ
Commented by pallet-sorairo at 2017-03-02 09:24
☆mother-of-pearlさん
テレビでご覧になったんですね、ラッキーなこと!
映画の大画面もまた素敵でした。
台湾を訪ねる場面は私たちも心に響きました。
平和であればこそ、との思いを新たにしたのでした。
>お互いに将来を確かめ合った
あはは、そんなオーバーなもんじゃありません(^^ゞ
Commented by yukimama0202 at 2017-03-02 16:47

お正月にこの映画、フジ系列でテレビでやっていたので見ました
上映前にテレビで?って不思議でした
もちろんカットやCM入りですからね
以前から英子さんの本借りたり、「きょうの料理」で何度か2人の生活ぶり登場しましたね
お嬢さん育ちで本物志向で可愛いおばあちゃまですよね~

しゅうたんが亡くなってからの「ふたりからひとり」の本のも図書館で借りて読みました
コツコツ毎日を丁寧に積み上げて暮らす・・中々できないです

ビオラの刺繍・・いつの間に刺したんですか Σ(´∀`;)

Commented by pallet-sorairo at 2017-03-02 22:58
☆yukimamaさん
yukimamaさんもテレビで見たんですね!
>もちろんカットやCM入りですからね
そうか、そういう意味では映画館の大画面で見たのは正解だったかな?!
「丁寧に」っていうのがなかなかね(^^;
ビオラは2月末になって慌てて刺しました。
「丁寧」じゃないのがバレバレ(^^ゞ
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