蓋050 千羽鶴
2012年 08月 06日
きょう8月6日は広島原爆忌。
「昭和20年8月6日に広島に、同9日に長崎に、原子爆弾が投下され、30万もの人命が奪われた。
世界で最初にして最大のこの惨事をふたたび繰り返すまいとの祈念をこめて、この日、各地でさまざまな行事が行なわれる。…」(『日本大歳時記』より抜粋)。
俳人はこの日を「原爆忌」と名付け、いまや「原爆の日」は夏の季語ともなっています。
広島原爆ドーム前/広島県/©hitomi 2012
原爆をめぐる小説や詩や俳句などあれこれ思い浮かべるうちに、私がふっとハミングで口ずさんだのは、この歌のメロディでした。
原爆を許すまじ 作詞:浅田石二 作曲:木下航二
1 ふるさとの街焼かれ 3 ふるさとの空重く
身よりの骨埋めし焼土(やけつち)に 黒き雲喜びの日はなく
今は白い花咲く 今は空に陽もささず
ああ許すまじ原爆を ああ許すまじ原爆を
三度(みたび)許すまじ原爆を 三度許すまじ原爆を
われらの街に われらの空に
2 ふるさとの海荒れて 4 はらからの絶え間なき
黒き雨喜びの日はなく 労働に築きあぐ富と幸
今は舟に人もなし 今はすべてついえ去らん
ああ許すまじ原爆を ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を 三度許すまじ原爆を
われらの海に 世界の上に
この歌が発表されたのは昭和29年、私はまだ小学校入学前でした。
そんな歌のメロディをなぜ知っているのか…たぶん「死の灰をかぶった第5福竜丸」の名とともに、そのころしばらくは、毎日のようにこのメロディがラジオから流れていたのではなかったろうか。
…フクシマを想い、セピア色になった遠い記憶を手繰り寄せている、2012年夏の日。
hitomiさん、素敵な蓋を ありがとう 。
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palletさんよりちょっぴり幼かった私もこの歌は忘れられません。
白い花は、多分夾竹桃。
それにしても、「三度許すまじ」と誓った原子爆弾は
その後実験を繰り返しながらもかろうじて抑えられているのに、
原子力の「平和利用」の名の下に進められた原子力発電所や
核燃料施設で事故が続いているのは、なんと皮肉な。
今回、この歌の詩をあらためて読み直して見ました。
4番の歌詞なんてあんまり知らなかったのですが
私の友人に福島浜通りに住み、漁業を営んでいた家族があるんだけれど、
いままさに「今はすべてついえ去らん」なのです。
これって…
人類の進歩ってなんなんだろうと愕然としてしまう。
これを、ちょうどこの日に載せるpalletさん、もぅ、さすがです。
実は前は合唱団に入っていて、広島に歌いに行ったことがあるんです。
何年前かなー夏に平和記念教会ってところで歌ったのですが、
広島っていう地は特別だなーと感じました。
本当に、原爆で放射能の怖さを一番知っている国なのに、
原発事故でまた放射能の怖さに脅かされるって皮肉ですね。
この日のためにあたためていた蓋です。
鉄のあの無機質な力強い感じがけっこう好きなのですが
この千羽鶴はいかにも折り紙の千羽鶴な感じがして、カラーが素敵♪と思います。
矢車草さんは合唱もなさるんでしたね。
広島の教会で歌ったなんて、忘れ難い思い出でしょう。
[E:clover] 次世代のために、少しづつでも平和への想いを発信していかなければと思っています。