アーカイブ 薬師岳その1(室堂~五色ヶ原~スゴ乗越) 

☆これ以後月末までのお天気も悪く、どうやら今年の7月は「やまなし」になってしまいそうなので、ブログ開始(2009)より前に出かけていた私の夏山のアーカイブから、デジカメを使い始めて記録の残っていた薬師岳レポを少し手直しして載せてみることにしました。
自分用の古い記録ですが、読んでいただけると嬉しいです(2013.7)。

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2008.8.3.薬師岳金作谷カールのS字状モレーン





薬師岳(北アルプス)

山行日   2008.8.1(金)~4(月) メンバー   ゆき&pallet
ルート  
8/1(第1日) 室堂8:35…9:25浄土山登山口9:35…10:25富山大立山研究所10:40…11:30鬼岳東面11:55…13:05獅子岳13:15…14:10ザラ峠上14:20…ザラ峠(14:30)…15:15五色ヶ原山荘(泊)

8/2(第2日) 五色ヶ原山荘6:00…6:50鳶山7:00…7:55ケルン8:10…8:45越中沢岳8:50…9:30スゴ手前の小ピーク9:35…10:30スゴの頭11:00…11:40スゴ゙乗越11:50…12:55スゴ゙乗越小屋(泊)
 

8/3(第3日) スゴ乗越小屋6:00…7:05間山7:15…8:10石楠花咲く雪渓後の稜線8:20…9:10北薬師岳9:20…10:30薬師岳11:15…11:55薬師岳小屋12:20…13:20沢の途中13:30…14:00太郎平小屋(泊)
 

8/4(第4日) 太郎平小屋5:30…8:10折立9:30バス⇒11:20富山(入浴・昼食)⇒ほくほく線14:51⇒越後湯沢乗り換え上越新幹線で18:20東京着


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【7月31日(木)】                                                 竹橋22:30発の毎日アルペン号で、山ともだちのゆきさんと室堂へ向かう。
体力(気力も)がないので?できるだけバスと夜行は使わずにきたのだけれど、今回は日程の都合で本当に久しぶりの夜行バスだ。アイマスクや耳栓etcのアドバイスを受けて用意はしたが、「たぶん眠れないだろうな」と思いながら車中の人となった。体の向きをあちこちに変えながらも少しは寝たのだろうか。あまりストレスを感じないうちに翌朝7:10に室堂へ到着した。 

                 
【8月1日(金)】
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朝の室堂

実は、直前になってメル友のsanpoさんが剱へ行く(こちら)のに同じバスに乗ることがわかり、車中で思いがけない初対面。室堂で朝食をとりながら、おしゃべりしたり写真を撮り合ったりと、楽しい時間があっという間に過ぎてしまった。

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sanpoさんと別れてから浄土山へ向かうが、室堂はすでに標高2450メートル。高山植物の花盛りでお天気もよく、気分はすっかり観光客で写真撮影に忙しく、登山口へ着いたのは9:30近くだった。やれやれ。                       
きょうの行程は5時間半とはいえ、「コース最大の難所」とガイドブックにある鬼岳東面の雪渓トラバースがある。このところの不安定な天候を思えば早く小屋にも入らねばならない…。が、一年ぶりの北アルプスの景色はやっぱり雄大で、しばしば立ち止まっては見入ってしまう。

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五色ヶ原

やっと富山大学立山研究所の緑色の建物を過ぎて、はるか彼方に今日の目的地五色ヶ原を見ながら、竜王岳の西側を巻いて行く。岩だらけの道を行くと雪渓があらわれ「これが例の雪渓ならたいしたことないねぇ」と難なく越えて、鬼岳東面と標識のある場所でお昼を決め込んだ。室堂で買った「野沢菜おやき」と「かぼちゃ餡おやき」がボリューもあってなかなかおいしかった。

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鬼岳東面雪渓

おなかもいっぱいになって歩き始めるとすぐに、眼下に雪渓を横切っているらしい豆粒のような人を発見。「あっ、あれだよ!。ちょっと大変かも」とふたりで顔を見合わせる。「でも、行くっきゃないよね」と足を踏み出す。

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鬼岳東面雪渓

つごう二つのこの雪渓は、ゆるく斜めに下降する上けっこう長いが、すでにたくさんの人に踏み固められてしっかりとした道となっていて、問題なく通過することができた。岩ガラガラらしく、むしろ雪が消えてからのほうが厄介かもしれない。

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ほっとして、獅子岳へ。黒部湖から立ち上がったような針の木岳がどっしりと目の前にあるのがとても印象的だ。足もとのはるか下方にザラ峠が見えるようになるが、なかなか近づかない。

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ザラ峠

遠くに五色ヶ原ヒュッテの青い屋根と五色ヶ原山荘の赤い屋根が見えている。
この付近はその名の通りザラザラな岩屑で滑りやすく、歩きにくいことこの上ない。
下りが苦手というゆきさんは今回のルート中ここが一番怖かったそうだ。

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五色ヶ原のはずれ

この道を急下降し峠からまた上り返すと、ほどなくしてひょっこり五色ヶ原の一角に出、両側にハクサンコザクラの咲く木道を行くと五色ヶ原山荘に着いた。                                                        
☆今夜は6畳に女性5人。男女交代制の、温かいお湯がたっぷりのお風呂もあり極楽極楽。でも、食事は質・量ともいまいちかな(2008年当時)。なぜか、お湯の販売はなく、お茶がポット1本200円だった。              

【8月2日(土)】
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スゴ乗越に向けて出発(前方に鳶山)

五色ヶ原は静かで素朴な雰囲気の草原が気持よく、私は雲の平より好きだなあとの印象を持った。昨日の夕暮れ時は、秋の気配を感じさせるうろこ雲が水色の空に広がり、とてもきれいだった。
さて、朝のひんやりとした空気の中をスゴ乗越に向けて出発。

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鳶山の上りにかかると、後方に五色ヶ原越しの立山、

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行く手に槍から笠の山並み、はるか彼方にはうっすらと白山も見える。今日もすばらしいお天気だ。 鳶山山頂で360度の展望を楽しんで鞍部に下り、越中沢岳の広々した北面を上り返す。 

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越中沢岳山頂(後方は薬師岳)

越中沢岳からは北薬師岳・薬師岳が見え、尾根の途中にスゴ乗越小屋の赤い屋根も小さく見える。

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山頂標識には「近くて遠いはスゴの小屋 アップダウンが続くよ!」とあった。

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ストックをしまい、北面とはまったく違う南面の急傾斜を岩や灌木につかまりながらやり過ごすと、名残の雪渓のそばで雷鳥の親子を見つけた。
私たちの前にいた雛がどんどん前方へ逃げて行く。「おいおい、お母さんから離れちゃうよー」と声をかけると、飛び上って戻って行った。飛ぶ雷鳥を見るのはとてもめずらしいことだ。

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さらに上下して、スゴの頭で昼食を済ませ何気なく後ろを振り向くと、今度はスッーと刷毛で掃いたような虹が空に懸かっていた。私は初めてお目にかかる気がするが、冠水平アークと呼ばれる虹だろう。山では期せずしていろいろなものに出会う。

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ジリジリと焼けつくような日差しに照らされながら標識どおりのアップダウンをこなし、樹林帯に入ってほっとするとスゴの小屋が見えてきた。                                                 ☆スゴ乗越小屋はクラシックなスタイルの小さな小屋だが、水が豊富で食事もおいしく、アットホームな雰囲気がとても好ましかった。今日は布団1枚に2名とのことだったが、私たちは単独女性と2枚で3人の割り当てとなった。 


☆古い記事ですみません。
アーカイブ 薬師岳 その2(スゴ乗越~薬師岳~太郎平~折立)へ続きます(こちらから)。
Commented by cyu2 at 2013-07-24 12:57 x
わ~すご~~い!そんな出会いがあったなんて。
そしてこのコース、いつかつなげてみたいと思っていたので興味シンシンです!
今更などと仰らずに、過去の山、どんどん見せて下さい!

ザラ峠は私も多分苦手だろうなぁ・・名前聞いただけで滑りそうです(笑)
でもやっぱり素晴らしい尾根歩きなのですね。
こっちは空いていそうだし、のんびり雄大な眺めと共になんていいな。
いつか絶対行こうと決めました♪
Commented by cyu2 at 2013-07-24 12:59 x
おっと、かき忘れ。
これが例のこだわりのニッカポッカーですね、ゆきさん。
かっけ~~~です(^^♪♪♪
Commented by はなねこ at 2013-07-24 16:43 x
あぁ~♪ ここいきたいんですよね。
五色が原がとてもいいと勧められたのは、もう何年も前のことですが
遠いくて日数がいりそうだし、周回できないし(薬師岳も行きたいので)
候補にあげては、取りやめていました。
こうして拝見すると、やっぱりいいですね。
いつか、私も時間がないのでちかいうちに、行きたいなぁと思いました。
Commented by ゆき at 2013-07-24 20:10 x
palletさん、思い返せば随分いろんなとこ行ったのねぇ。
で、このレポ、あの取っておきの一枚はご披露するのかな? うふふ。
cyu2さん、ザラ峠はですね、滑ったら下まで止まるところがありません。
ハイマツの中をズズズ~ゴロゴロゴロ~って。
ニッカボッカはその後ちょっと手直しをしたのでもう少しかっこよくなってます。
しかしいかにも年季がというか時代が…というか、
ファッションが一巡しても今の膝丈のとは違うんですよねぇ。
でも私はこれに憧れて山を始めたのだから殉ずる覚悟でいます。
な~んて^^;

Commented by pallet-sorairo at 2013-07-24 21:40
☆cyu2さん
このコース、私が再訪したい5指に入ります。
お天気が良かったせいもあると思うけど…静かな山域なのもいいし、景色もいいです。
なんか「歩いた~」って感じもして、満足感があったような気がするし。
縦走の醍醐味かな。
いつかぜひ、行ってください。

>今更などと仰らずに、過去の山、どんどん見せて下さい!
そんなにあちこち行ってるわけじゃないし、記録は多少あるんだけど、
PCの容量の具合で捨てちゃったものもあって写真がないの。
アーカイブはこれだけになるかなぁ。
Commented by pallet-sorairo at 2013-07-24 21:45
☆はなねこさん
五色ヶ原はすごく開放的で、雲ノ平とはまた違った雰囲気でした。
スゴ乗越小屋も、超古いけどなんかすごくいい雰囲気だったの。
「近いうちに」(^^ゞぜひいらしてね。
たまには電車・バスで行くのもいいかもですよ♪
Commented by pallet-sorairo at 2013-07-24 21:48
☆ゆきさん
>思い返せば随分いろんなとこ行ったのねぇ。
私もこれ書きながらそう思った。
あとは裏銀座のアーカイブだけでも自分のためにここに残しておきたい
って思うんだけど、残念です。
Commented by sanpo at 2013-07-24 22:49 x
palletさん  こんばんは~
びっくり、レポ、もう出来ていたんですね。
私、今日はちょっとバタバタしてて、今拝見しました。
「尾瀬ですれ違っていました」ってメールいただいたPさんだったけど、
この室堂で初めてお会いしたんですよね、懐かしいですね~
この薬師岳ルートは毎年候補に入ってて、いつも浮気しています。
最終日の大雨も凄かったですよね。
続きも楽しみにしていますね。
Commented by pallet at 2013-07-25 11:48 x
☆sanpoさん 
>びっくり、レポ、もう出来ていたんですね。
とういか、記録部分はある程度当時のものがあったので
手直ししながら写真を入れていったの。
続きももっとサクサク作っちゃえばいいんだけど
いろんなこと思い出してくるものだからなかなか進みません(^^ゞ
今週末、あの辺はお天気いいみたいですね、楽しんできてくださいね♪
みなさん?によろしく~。
Commented by mt_kawamin at 2013-07-26 00:28
palletさん、こんばんは☆

ここ、歩きたいんです~~!!
もう何年も温めてるんです~~室堂から・・・出来れば新穂高まで(;^_^A アセアセ・・・
でも折立へ行っても4日ってことは新穂高へ降りるとなると
予備日入れると一週間・・・はぁ・・・

ところで、こんな素晴らしいお天気のなか歩けてるのが羨ましい!!
山の醍醐味っていうか、それを感じれるのは裏銀座とか静岡側の南アとかって思っていて
憧れをずっと抱いてます。
あぁぁ・・・・行きたいなぁ・・・去年のリベンジじゃなくってこっち歩きたいw

そうそう。ザラ峠って佐々成正(漢字違ったらごめんなさい)が越えた峠でしたよね?
大河ドラマで知った峠でした笑
Commented by pallet-sorairo at 2013-07-26 10:55
☆かわみんさん
あらら、かわみんさんもですか。
お薦めですよ、ここ(^^ゞ
>予備日入れると一週間・・・はぁ・・・
二度に分けて行きましょう…かわみんさん、まだまだお若くて時間がいっぱいある(羨ましいです)。
私たちも後半の新穂高までのコース、虫食いで残ってます(^^ゞ
>山の醍醐味っていうか、それを感じれるのは裏銀座とか静岡側の南アとかって思っていて
私も、そう思います。
どちらも人が少ないし、特に静岡県側の南アは何より山懐が大きくて素晴らしいです。
ぜひ、行ってください。
ザラ峠は、こんなところを雪の中よく越えようなんて思ったなあとびっくりでした。
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by pallet-sorairo | 2013-07-24 09:01 | 山歩きアーカイブ | Comments(11)

私の山歩き街暮らし空の色 // 散歩道で見かける鳥や虫や花も // ただいま山歩きお休みちう       ©pallet-sorairo


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