フランスを旅する 4/睡蓮を見に・シテ島・ヴァラドン
2015年 10月 23日
向うに見えるコンコルド橋でセーヌ川を渡って左岸に出、
このアレクサンドル3世橋まで冷たい風に吹かれながらぶらぶらとやってきました。
セーヌ左岸、カルチェ・ラタン…知的な匂いのする憧れの場所でしたが…
きょうはこの橋でまた右岸に渡り返します。
10月初旬なのに、道行く人はみな厚手のコートにに身を包んでいますが
パリは北海道と同じくらいの緯度と聞けば、それも素直にうなずけます。
フランス第4日 @パリ
きょうはオランジュリー美術館、シテ島のノートルダム大聖堂、
そしてモンマルトルを訪ねる予定です。
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朝の7時7分、外はまだ真っ暗です。
帰って来てから調べてみたらこの日のパリの日の出は6:58でした(東京5:40、石垣島6:37)。
この時期は夏時間ということだったので、
こんなに暗いのは冬時間だったら5:58ということなのでしょうか?
あれ、もしかして7:58だったりして??
もうすぐ切り替えの時期とか,
夏時間・冬時間に慣れている人たちには何ともないことなのかもしれないけれど、
なんともややこしいです。
*
パリ三つ目の美術館オランジュリー美術館へ。
天井からやわらかに降り注ぐ自然光が静謐な雰囲気をかもし出す楕円形の部屋が二つ。
大きなキャンバスに描かれたモネの連作『睡蓮』が見る人の周りを取り囲みます。
モネはこれらの作品を、第一次世界大戦後に自ら国に寄贈したのだそうです。
第1展示室に『朝』『雲』『緑の反映』『日没』、
第2展示室には『明るい朝、柳』『朝、柳』『二本の柳』『木々の反映』。
中央のベンチに座ってじっと見入っていると「ふっ」と重力を感じなくなって、
自分はいま水の中にいるのではないかというような錯覚におちいりました。
静かな静かな素晴らしいひとときでした。
地下にはポール・ギヨームコレクションが展示されていて、これがまた素晴らしかった。
ポール・ギヨームって誰だっけ?と思ったら、モディリアーニが描いた肖像画が展示されていて、
ああ!画商ポール・ギヨームってこの四角い顔をした人のことね!!とガッテン(^^ゞしたのでしたが。
オランジュリー美術館の前身は、そもそもオレンジなどの果樹を保護する温室だったとか。
現在の建物は何度かの改築を経て2006年に再オープンしたものだそうで、
モネの意志を尊重して、自然光をたっぷりと取り入れた美術館となっています。
見えている幅が間口の、2時間もあれば見終わってしまう小さな美術館ですが、
私は、中身の濃い美術館との印象を受けました。
オランジュリー美術館を出、昨日も通ったコンコルド広場を見送ってコンコルド橋を渡ります。
パリ左岸の空気を感じながら進んでまたアレクサンドル3世橋で右岸へ。
シャンゼリゼ・クレモンソーからメトロに乗ってシャトレ下車、徒歩でシテ島へ向かいました。
…って、三日目ともなるとメトロにもなんだか馴染んできたみたいです♪
ステンドグラスが素晴らしいという教会サント・シャペルには見学待ちの列がいっぱい。
ここも見たかったのですがパスして私たちはノートルダム大聖堂へ向かいます。
大聖堂ももちろん長い列でしたが思いのほか早く中に入ることができました。
聖堂裏手にある公園には色とりどりの花が咲いてとてもきれいでしたが、
何よりこの日はとても爽やかな日で、
内部で見るステンドグラスもいっそう色鮮やかに感じられたのだったろうと思いました。
向うの小さな島はサン・ルイ島のようです。
あんな小さな島ですが高級住宅地なんですって。
LIBERTE/E‘GALITE/FRATERNITE‘(自由・平等・博愛)の文字のあるパリ市庁舎の前を通って
メトロの駅へ。
ちょっとしたアクシデントがありましたが無事解決、途中でランチを済ませモンマルトルに向かいます。
ああ、この路地をこの道をピカソやモディリアーニやゴッホやらが歩いたのかと思いを巡らせるが…
いまや正真正銘の観光地となっていて、何やらただ雑多な印象しかなくちょっと興ざめ。
上右はサクレ・クール寺院。
坂の上のまちなのであちこちにある石段のひとつを下ります。
横にケーブルカーが走っている急坂でした。
下りたところにあった建物、
なんだか気になって眺めていると緑のドアの横に「PLACE SUZANNE VALADON」という掲示が。
えっ、VALADON って?! あのヴァラドンでしょうか?!!
左のプレートの文章はもしかしたらVALADONとは関係ないかもしれないけれど
フランス語わかる方に教えていただけたら嬉しいななんて思っています。
<後記>コメント欄↓で☆poirier_AAAさんから教えていただきました。
ぜひご覧ください。
私もパリは ”おのぼりさんコース” しか歩いたことがないんですが…
オランジェリーだけは、朝早くから行って、
静かな『睡蓮の間』で、45分ぐらい座っていたんですが…
モネは、やはり私の究極の憧れですね。
で、その時の印象を壊したくなかったので、隣のルーブルはパスして
セーヌ河そいの石の上で、長いことボーーーとしていた思い出があります。
冬枯れのパリ、また行ってみたくなりました。
良いですよとお勧めするのがサント・シャペル。
最上階に昇ると、まるでステンドグラスの大きな鳥かごに入った
ような気持ちになります。
オランジュリー美術館にモネがあるということだけはわかっていましたが
あんな風に出迎えられるとは思っていなかったので、すごくびっくりしました。
shimasaanさんの感動が私にもよくわかります。
私も、もう一度見てみたいです。
ああ、私も残念です!
そんな予感がしたんです。
たとえおのぼりさんでも、まずはサント・シャペルを見た方がいいんじゃないかと。
やっぱり、もう一度パリへ行かねば…(^^;
ノートルダム、日曜のミサに潜り込んで、
私にとってはオマジナイみたいなお説教をBGMに、
ずっと上目遣いにステンドグラス眺めてましたもんね。
って、この頃全然旅行に行っていないイジケ虫です。
なんとおっしゃるうさぎさん♪
私があたふたしていたころに
ゆきさんは、すでにいろんな所へ行ってるじゃないですかぁ。
そうだ、去年はひとりでフィンランドへも!
サント・シャペルにだって行ってるし(^^。
それにしてもいいお天気続きだ。
早くしないと私は日本の秋山に行けないうちに冬が来てしまう。
左の黒のプレートですが、ナチスとヴィシー政権によるユダヤ人強制連行の記憶を忘れまい、という内容が書かれています。これは学校前の壁に掲げられたもので、その学校に通う子どもから犠牲者が出たということなのです。他にも18区で700人以上の子どもが連れて行かれたと書いてあります。
うちの息子たちが通う学校の外壁にも同じようなプレートが掲げられていて、初めて気がついたときはずしんと心が重くなりました。
プレートの文章の意味、教えてくださってありがとうございます。
そんなことが書かれていたのですね。
1942~1944という年数には思うこともあったのですが
700という数字は何なのだろうと考えていました。
そんな厳粛な事実が、もしかしたら私の足を止めさせたのでしょうか。
こんなことを知ると、ヨーロッパは凄いなと改めて思います。
そして、お聞きしてよかったと思いました。
重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました。