そらいろのパレット

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おんがく


一日中ほとんど誰にも出会わずに歩いた静かな山の中で出会った母と子。
傾いて生えた木にまたがって楽しそうにお昼ご飯を食べていた。
母親は子どものために何か温かなものを作ったらしく
私たちが近づくとバーナーを片づけているところだった。

いつもそうするように「こんにちは~」と声をかけると、
「こんにちは~」思いがけないほど大きな明るい少年の声が返って来た。
少年は幼稚園の年長さんほどだろうか。
そんな少年を愛し気に見やる母親のちょっと恥ずかしそうな表情が
私には周りのなににもまして美しく見え、ふっと胸が温かくなったような気がした。

山歩きの翌日はコーラスの日だった。
この日、先生から新しく渡された譜面は、
まど・みちお詩、木下牧子作曲の『おんがく』で、
何度か歌っているうちに
私の中に昨日見たその光景がふわりと浮かび上がって来たのだった。


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おんがく      まど・みちお

かみさまだったら
みえるのかしら
みみを ふさいで
おんがくを ながめていたい
目もつぶって 花のかおりへのように
おんがくに かお よせていたい
口にふくんで まっていたい
シャーベットのように広がってくるのを
そして ほほずりしていたい
そのむねに だかれて



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この日私は、
歩いて行く先にぽつんとこの母と子の姿を認めた時から
近づいてそして離れてもなおしばらく後まで、
もしかしたら
森の中で奏でられている一編のおんがくをながめていたのだったかもしれないと思う。




★美しいアカペラ混声合唱『おんがく』をYouTubeで聴けます→
★この日の山レポは(こちら)から。


by pallet-sorairo | 2017-11-04 09:08 | 山歩き2017 | Comments(14)
Commented by saheizi-inokori at 2017-11-04 09:52
親子の音楽が聴こえてきました。
彼らも音楽の中にいたのでしょう。
何と幸せな坊や!
Commented by fusk-en25 at 2017-11-04 10:27
この文章からも聴こえてきました。
私。音苦なんですけど。なぜか言葉に置き換えると音楽がわかると言うか
聴こえてくるのです。
アガサ・クリスティの愛の旋律はその最たるものでした。
今も音楽小説は愛読はしています。
Commented by tukinobo at 2017-11-04 19:41
おんがく まどみちお

かみさまだったら
みえるのかしら

はじめて、その詩を読んで

かみさまだったら、みえるのかしら。
その文字を見たら、なみだがでました。
ユーチューブで、歌も聞きました、

わすれられないすてきな歌だなぁ。


Commented by haru_rara at 2017-11-04 22:17
そらいろさんの文章もこの写真も音楽のよう。
YouTubeを教えてくださってありがとうございます。
まど・みちおさんのことばはいいなあ。この詩も好きです。
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-04 22:41
☆saheiziさん
小さな体からは想像もつかないほど大きな声だったのです。
きっと「ぼくは森が大好きなんだよ!」と言いたかったんだと思います。
幸せそうな坊やでした。
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-04 22:45
☆fuskさん
fuskさんは言葉に音楽を聴くんですね!
そういうこともありなんだと知りました。
アガサ・クリスティの『愛の旋律』面白そうですね。
読んでみますね。
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-04 22:47
☆yakoさん
かみさまでなくとも見えるみたいです。
yakoさんなら、きっと見えると思います。
ユーチューブ、聞いてくださったんですね。
素敵な歌声だったでしょう?!
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-04 22:53
☆haru-raraさん
音楽って見えるんだと不思議な気がしました。
この時にこの『おんがく』に出会ったのもなんだか不思議な感じがします。
YouTube、紹介してよかった! 聞いてくださってありがとう。
Commented by こんの at 2017-11-05 06:27 x
あぁ 佳い写真
ほんとに胸が温かくなって幸せ感がひろがりますね
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-11-05 08:07
私も上の方と同じ。
写真を見た途端、ああいい写真だなぁと。
この坊や、幸せだなぁと。
すてきな瞬間に出会いましたね。

まどみちおさんの詩は大好きです♪

↓のもみじの天ぷら。
箕面大滝までの滝道に沿ってあるお店やさんで売られています。
滝までに山道はダラダラと続く舗装された坂道ですので、
私は途中から川を渡って山の方の道に入っていきます。
パレットさんの山歩きのように。気持ちいい歩きです。
揚げたてを食べると美味しいらしいですが、食べたことはないです。
揚げ菓子のようだと聞いていますが。
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-05 08:57
☆こんのさん
山の中のほぼまっすぐな下り坂で、遠くにこの二人を見かけたときは
こんな光景が現れるとは想像もしていませんでした。
あれは、夢だったんじゃないかしらなんて今になってそう思います。
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-05 08:59
☆PochiPochiさん
ほんとに素敵な瞬間に出会ったと思います。
今になって夢だったような気がしてきました。
もみじの天ぷら、蓑面の名物みたいですね。
今度一度食して感想聞かせてくださいませ(^^ゞ
Commented by rinrin1345 at 2017-11-05 21:15
かわいい歌ですね。
孫とうたってみたい曲です
Commented by pallet-sorairo at 2017-11-06 09:49
☆rinrinさん
初めましてでしたでしょうか? ようこそ!
まど・みちおさんの詩は
こころに直球を投げてくる素直さで素敵ですね。
ぜひ、歌ってみてください(^^。
今後ともどうぞよろしく。
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=私の山歩き街暮らし空の色= 散歩道でみかける鳥や虫や花も


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